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2017年11月15日 (水)

2017年11月15日(水)の聖教

2017年11月15日(水)の聖教

◆わが友に贈る

楽しいところに
人は集まる。
仲良きところに
福徳は輝きわたる。
和楽の連帯を広げよう!

◆〈名字の言〉 2017年11月15日

 「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない。平和こそ、人類の進むべき、根本の第一歩であらねばならない」――小説『新・人間革命』の冒頭の一節である▼スペインのリーバス・バシアマドリード市、モンゴルのチョイバルサン市、ニュージーランドのロトルア市などには、先の言葉を刻んだ記念碑が立つ。『新・人間革命』は、今や13言語で翻訳・出版され、海外でも広く読まれている▼小説『人間革命』は、山本伸一が第3代会長に就任する場面で幕を閉じる。その続編である『新・人間革命』は「旭日」の章でスタートした。そこには、赫々と昇り、世界を照らす太陽のごとく、恩師・戸田先生から託された広布の構想を、弟子が実現する意義が込められている▼『新・人間革命』第1巻の「あとがき」には、こうつづられている。「師の偉大な『構想』も、弟子が『実現』していかなければ、すべては幻となってしまう。師の示した『原理』は『応用』『展開』されてこそ価値をもつ」。その言葉通りの行動を、池田先生は貫いてきた▼『新・人間革命』第30巻「勝ち鬨」の章が、来月からスタートすることが発表された。一人一人の人生の「勝ち鬨」へ、日々、師の言葉を心に刻みつつ、新たな挑戦を開始しよう。(芯)

◆〈寸鉄〉 2017年11月15日

 信仰とは無限の向上だ―
 戸田先生。昨日より今日。
 深き祈りから挑戦の一歩
      ◇
 地域部の日。地道に信頼
 と友情を拡大。「其の国の
 仏法」弘める尊き先駆者
      ◇
 会合と個人指導の比率は
 「2対8」を目標に。幹部
 の行動変革で広布は加速
      ◇
 きょう「七五三」。我らの
 激励で皆を平和の指導者
 に。健やかな成長を祈念
      ◇
 自殺未遂者、推計53万と。
 社会に強固な絆を!希望
 の哲学を!信念の対話で

◆社説  きょう「地域部の日」   共生と共栄の連帯拡大担い先駆


 「無縁社会」の言葉が象徴するような、人間関係の希薄化が社会問題となって久しい。特に、高齢者が孤立する背景には、周囲に「迷惑を掛けたくない」との気遣いが働いているというだけに、心が痛む。
 「つながり」が弱まる現代社会の中で、人間的な絆を回復しようと、行政をはじめ多くの人が、さまざまな工夫と挑戦を重ねている。そうした人々と力を合わせ、心通う地域社会の建設を目指し奮闘するのが、きょう「部の日」を迎えた地域部の友である。1987年の11月15日に開催された「第1回地域部総会」が、この日の淵源。日頃から、町会・自治会、商店会、老人会、PTA、民生委員、保護司、消防団、ボランティアなどの要職に就き、地道に活動を続けている。
 福岡県田川市内の自治会で副区長、老人会長として尽力する壮年の話を聞いた。壮年は、定年を機に横浜市から36年ぶりにUターンして約20年になる。地域貢献の中で友人づくりをとの思いで、自治会活動に参加。15年前には、老人会を仲間と共に立ち上げた。当初、15人だった会員は、現在40人近くに。そのうち、1人暮らしの高齢者が15人も増えるなど、こまやかな対応が求められている。壮年自身も今は81歳だが、民生委員を務める妻と共にかくしゃくとして地域住民に尽くす。
 誕生日を迎えた老人会員には、月末に鉢植えの花を届ける。最近の話題や健康への心掛けなどをつづった手作りの“通信”も毎月、家庭を訪問して渡す。台風などで災害の危険が予想される際には、「何かあったらすぐに電話を下さいね」と声を掛ける。その一つ一つには、「特に1人暮らしの方が、寂しい思いをしないように」との願いが込められている。
 こうした献身的な生き方を「いつも尊敬し、信頼しています」と語るのは、自治
会の区長として長年苦楽を共にしてきた壮年。3年前に入会し、今年は教学部初級
試験に合格した。
 全国各地で活動する地域部の友に、かつて池田先生は語った。「広宣流布は地域部が原点。その皆さま方には偉大なる使命と福運がある」と。また、「近隣友好の3つの心がけ」として、「地域の安穏と繁栄を祈ろう!」「礼儀正しく 良識豊かに!」「励まし合い 助け合う連帯を!」と示している。
 師の指針を胸に、共生と共栄の地域建設に先駆する地域部の友に感謝し、ともどもに“幸福拡大”の道を歩んでいきたい。

◆きょうの発心   今の努力が未来を勝ち開く力に2017年11月15日


御文
 過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ(開目抄、231ページ)
通解 過去の因を知りたいと思うなら、その現在の果を見なさい。未来の果を知りたいと思うなら、その現在の因を見なさい。

 厳しい生命の「因果の理法」を記された一節です。創価女子短期大学に進学する時にこの御文を拝し「成長を願い、励ましてくださった同志の皆さまのおかげで今の自分がある」との感謝の思いでいっぱいになると同時に「今の努力が未来を開く」と決意し、徹して学びました。
 卒業直前、池田先生に激励していただく機会があり、「生涯、創価の師弟の道に生き抜こう」と誓いました。不思議にもこの日を境に、幼少期から悩んできたアトピー性皮膚炎が快方に向かいました。
 女子部時代は、千葉県で悔いなく活動に励み、結婚を機に三重県へ。当初は、学会活動と子育ての両立に悩み、家族も病魔に襲われましたが「苦しい時こそ原点に立ち返ろう」と祈り、活動に励む中で境涯を開きました。悩んできたこと自体が「宝」となり、自らの体験を友人にも語っています。
 三重県婦人部には、「今日も元気で」を声高らかに歌いながら、広布の扉を開いてきた師弟共戦の不滅の歴史があります。学会の永遠性を確立する今こそ、「輝く創価の未来を勝ち開こう」と誓いも新たに前進してまいります。
 三重総県婦人部長 稲原香

◆小説『新・人間革命』第30巻 暁鐘の章   六十三 2017年11月15日(6224)
 

 山本伸一がニューヨークを発って、カナダのトロント国際空港に到着したのは、六月二十一日の午後四時過ぎ(現地時間)のことであった。空港では、カナダの理事長であるルー・ヒロシ・イズミヤと、議長で彼の妻であるエリー・テルコ・イズミヤをはじめ、大勢のメンバーが、花束やカナダの国旗を持って一行を出迎えた。
 カナダは、伸一が一九六〇年(昭和三十五年)十月、最初の海外訪問の折にトロントを訪れて以来、二十一年ぶりである。
 思えば、その時、空港で一行を迎えてくれたのは、まだ未入会のテルコ・イズミヤただ一人であった。
 彼女は、この年の三月、日系二世のカナダ人で、商社に勤めるヒロシ・イズミヤと結婚し、四月にカナダへ渡った。
 そして、伸一が到着する日の朝、日本に住んでいる学会員の母親から、エアメールが届いたのだ。そこには、山本会長がカナダを訪れる旨が記され、「ぜひ空港でお迎えしてください」とあった。
 しかし、行くべきかどうか迷った。身重で気分も優れなかったし、“もしも折伏などされたら困る”との思いがあったからだ。それまで、母親から教えられた功徳などの話が、迷信めいた時代遅れなものに思え、信心に抵抗を感じていたのである。でも、行かなければ、母の願いを踏みにじり、親不孝をするような気がして、空港に向かったのだ。
 伸一は、出迎えてくれたことに心から感謝するとともに、家庭の様子などを尋ね、「なぜ、人生にとって信仰が大切か」を述べ、仏法とは、生命の法則であることを語った。
 この一年七カ月後、病気がちであった彼女は、健康になれるならと、自ら信心を始めた。体のことで夫に心配をかけたくなかったし、入会することで、母親を安心させたいとの思いもあった。
 心田に植えられた妙法の種は、時がくれば必ず発芽する。大切なことは、自分に関わる人びとと仏縁を結び、種を植えることだ。

【聖教ニュース】

◆ バチカンで国際会議 SGIが仏教団体として参画 2017年11月15日
国連、各国政府、市民社会の代表らが出席
SGI訪問団 ローマ教皇と謁見


核廃絶を巡る国際会議で発言する池田SGI副会長。SGIは、参加者中唯一の仏教団体として、生命尊厳の立場から核兵器を糾弾し、民衆の連帯で「核兵器のない世界」の実現をと呼び掛けた(11日、バチカン市国で)
核廃絶を巡る国際会議で発言する池田SGI副会長。SGIは、参加者中唯一の仏教団体として、生命尊厳の立場から核兵器を糾弾し、民衆の連帯で「核兵器のない世界」の実現をと呼び掛けた(11日、バチカン市国で)

 核兵器のない世界への展望を巡る国際会議が10、11の両日(現地時間)、ローマ教皇庁・人間開発促進省(仮訳)が主催し、バチカン市国で開かれた。同会議の開催に協力したSGI(創価学会インタナショナル)からは、池田博正SGI副会長ら訪問団が出席した。会議初日には、参加者らがフランシスコ教皇と謁見。SGI副会長が会議の協力団体として招へいを受けた感謝と、池田大作先生からの伝言を伝えると、フランシスコ教皇は笑顔で応じた。また11日には、SGI副会長が「人間精神の変革」をテーマに登壇した。
 バチカン市国は、イタリアの首都ローマの北西部に位置する。総面積は44ヘクタール。世界最小の独立国家である。
 国家元首は、カトリック教会の最高指導者であるローマ教皇。現フランシスコ教皇はアルゼンチン生まれで、2013年、アメリカ大陸出身者としては初めて、第266代の教皇に選出された。「真の力とは奉仕である」との信念で、苦しむ人たちへのまなざしを大切にした行動を続けている。
 本年1月、教皇のリーダーシップのもと、教皇庁にあった12の評議会のうち、「正義と平和評議会」など四つの評議会が統合され、環境、平和、人権、人道等の問題を担当する人間開発促進省(仮訳)が設置された。
大聖堂のクーポラ(ドーム)から、ローマの街並みを望む
                  
 人間開発促進省の設置に関わったシルヴァーノ・トマーシ教皇大使(前国連駐ジュネーブ常任代表)は、2014年にオーストリアのウィーンで開かれた核兵器の非人道性に関する国際会議で、SGIの代表と出会った。以来、核兵器廃絶を目指すSGIの草の根の運動を深く理解し、評価してきた。
 そして今回、同省が主催した国際会議にSGIは唯一の仏教団体として招へいを受けた。SGIのほか、パグウオッシュ会議、米ジョージタウン大学等が協力団体に名を連ね、政府や市民社会の代表、ノーベル平和賞受賞者などが世界各国から集った。
                        ◇
 「この会議に参加している学生と若き専門家に感謝したい。未来の世代に正義と平和のメッセージを伝えるのは、あなたたちです」
 2日間の会議は、人間開発促進省のピーター・タークソン長官による、この言葉で始まった。
 前日(10日)に行われた謁見でのスピーチで、フランシスコ教皇は、核兵器の偶発的な事故の危険性を考慮するならば、その使用の威嚇や保有そのものも責められるべきであると指摘。核兵器に代表される大量破壊兵器は誤った安全保障観をもたらすだけであり、人類の平和的共存は、武器ではなく連帯の倫理によって醸成されねばならないと訴えた。
 また同日午前には、バチカン市国のピエトロ・パロリン国務長官、グラミン銀行創設者のムハマド・ユヌス氏、国連の中満泉事務次長(軍縮担当上級代表)らが登壇。その後のセッションでは、4人のノーベル平和賞受賞者がスピーチした。
 IAEA(国際原子力機関)前事務局長のモハメド・エルバラダイ氏、地雷禁止を求める活動をけん引したジョディ・ウイリアムズ氏に続き、今年の同賞受賞が決定したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のベアトリス・フィン事務局長は、7月に採択された核兵器禁止条約は、核時代の「終わりの始まり」であると強調。核廃絶への道のりにおいて、信仰心は恐怖に支配された世界に希望を送り、暗闇に光をともす力であると述べた。
 アルゼンチンの人権活動家のアドルフォ・ペレス=エスキベル博士は、社会的弱者の声を政治に届け、全ての人が平等に自由を享受できる社会の建設をと訴えた。
 会議2日目では、オランダの平和団体「PAX」のスージー・スナイダー氏が「市民社会の役割」をテーマに発表したほか、ノーベル平和賞受賞者のマイレッド・コリガン=マグワイア氏らがスピーチした。
 池田SGI副会長は「平和への道と証言」と題するセッションで、被爆者で日本原水爆被害者団体協議会事務局次長の和田征子氏らに続き発言した。
 その中でSGI副会長は、縁によって変化する生命の可変性に触れ、人間精神の変革とは、生命の善性を顕現させていくことに通ずると主張。核廃絶とは核兵器を容認する”生命の魔性”との戦いであり、核軍縮という困難な課題への挑戦の中で、人間の生命の可能性が開花されるとの見方を示した。
 また、核兵器の人道性をめぐる議論を支えたのは、核問題は倫理的・道義的な問題との視点であり、その意味で、宗教は積極的な役割を果たしてきたと強調。SGIも、「大切なものを守りたい」という感情を共有するという立脚点から、「核兵器なき世界への連帯」展を各国で開催し、誰もが始めることができる「対話」を手段として、市民社会での意識啓発と青年の育成に取り組んできたことを紹介した。
 事実、例えばイタリアSGIの青年部の語らいから生まれた「センツァトミカ(核兵器はいらない)」運動は今、社会に広く浸透している。国際会議の期間中、同運動の展示が、会場内のホールで開かれた。
 全てのプログラムを終えた参加者は、共に展示の鑑賞へ。パネルを1枚ずつ、丹念に見つめながら、会議の熱気のままに、議論を続けていた。
宗教や信条は異なっても、「平和を創る」という一点で協力できる。SGIの対話の取り組みは、一段とその地平を広げ、地道にして最も確かな平和の道を前進している。

◆ SGI訪問団が表敬 ローマ教皇庁、ノーベル平和賞受賞者など 2017年11月15日
 
 
SGI訪問団がタークソン長官(右端)、トマーシ教皇大使(右から2人目)を表敬(9日、ローマ市内で)
SGI訪問団がタークソン長官(右端)、トマーシ教皇大使(右から2人目)を表敬(9日、ローマ市内で)

 会議の開幕に先立つ9日(現地時間)、SGI訪問団は、ローマ教皇庁の人間開発促進省を表敬し、同省のピーター・タークソン長官(枢機卿)、シルヴァーノ・トマーシ教皇大使と会見した。
 冒頭、池田SGI副会長は、会議に招へいされた唯一の仏教団体として、宗教的使命を一段と自覚し、核廃絶の新しい道を開くために尽力したいと強調。会議に寄せた池田先生のメッセージを、タークソン長官に託した。
 同長官は、深刻の度を増す核開発の問題を克服するには対話が必要であり、信仰を持つ人たちが対話促進の役割を担うべきであると語った。
 また同日、一行はノーベル平和賞受賞者のジョディ・ウィリアムズ氏とローマ市内で会見した。氏は2015年、アメリカ創価大学の卒業式で記念講演を行い、“善の力の連帯が世界を変える”と学生に呼び掛けている。
 会見でウィリアムズ氏は、市民の連帯によって対人地雷禁止条約が採択(1997年)され、それがモデルとなってクラスター爆弾禁止条約などが実現した歴史に言及。社会変革は、誰もが参加し得るものであると自覚する重要性を訴えた。
 池田SGI副会長は、地雷廃絶への道を開いた氏の功績は、核兵器のない世界を目指す上で大きな希望になると述べ、人間の持つ善性を信じ、一人でも多くの人の力を結集していきたいと語った。
 なお一行は8日、在バチカン日本国大使館の中村芳夫特命全権大使を、ローマ市内の同大使公邸に表敬。大使からは、日本とバチカンの国交樹立75周年に当たる本年、両国の交流を深めるためにさまざまな行事を開き、今後も予定しているとの話があった。
 SGI副会長は、東京富士美術館で開催中の「遥かなるルネサンス」展でバチカン教皇庁図書館の所蔵品が展示されていることに触れながら、今後も友好促進のために努力したいと語った。
 さらに9日には、国際的な人道支援等に取り組むカトリックの信徒団体である聖エジディオ共同体を表敬。アルベルト・クァットルッチ、チェーザレ・ズッコーニ両事務総長と平和をつくる教育の役割などを巡って意見を交わした。

【特集記事・教学・信仰体験など】

◆〈青春譜――池田先生と綴る未来 創価大学〉第17回 美術部 2017年11月15日
労苦の先に勝利はある


美術部の友が完成させた壁画を鑑賞する創立者・池田先生(2004年12月)。反対側の壁には、創立15周年(1986年)を記念して、当時の美術部員が制作した創大の四季を描いた壁画が
美術部の友が完成させた壁画を鑑賞する創立者・池田先生(2004年12月)。反対側の壁には、創立15周年(1986年)を記念して、当時の美術部員が制作した創大の四季を描いた壁画が

 創価大学が立つ東京・八王子の丹木の丘は、鮮やかな紅葉の季節を迎えた。文化の秋、芸術の秋の到来である。
 キャンパスでは、今年も「創価芸術展――創価一貫教育の光彩」が開幕。現在は各地を巡回している。創大生、創価女子短大生、東西の創価学園生をはじめ、日本・世界の創価幼稚園児から寄せられた絵画や書などの力作が展示されている。
 この“創芸展”に意欲的に出展するのが、伝統光る創大の美術部である。油絵や水彩画、日本画、陶器などの各分野に分かれ、皆で切磋琢磨しながら、技量を磨く。4月の新入生歓迎展や他大学との合同展等の開催のほかに、創大祭の「創価栄光の集い」で使用する横断幕なども手掛けている。
 創部は創大が開学した1971年。高校時代に美術部だった学生が中心となり、創立者・池田先生が示した建学の精神の一つ「新しき大文化建設の揺籃たれ」の一翼を担おうと、入学直後の5月に発足させた。
 部室での石膏デッサン。大学構内でのスケッチ。芸術論や美術論をぶつけ合いながら、懸命に努力を重ねる草創の美術部員たち。それを誰よりも見守り、励まし続けてきたのが、池田先生である。
努力の日々たれ
 「みんな、うまくなったね。去年より数段上達しています」
 73年10月の第3回創大祭。美術部の展示会場に、先生の姿があった。第1回・第2回創大祭の展示にも足を運んでいる。
 「みんな生命が素直できれいだ。そのきれいな生命が絵に表れている」。一つ一つの作品を講評しつつ、「来年が楽しみです」と、さらなる成長に期待を寄せた。
 迎えた翌年。展示会場の隣の部屋では、部員数人が作業に当たっていた。大きな厚手の模造紙を床に広げ、先生を歓迎する看板を準備していたのだ。
 「先生、ようこそ」と書き上げたが、なかなか納得のいく字にならない。やり直して、もう1枚の紙に「先生」と書いたその瞬間、部屋の扉が開いた。立っていたのは先生だった。
 「貸してごらん」。驚くメンバーの中に分け入り、筆を受け取った先生。自ら「ようこそ」と書き加え、その上には「そして美術部の友」と記した。
 思いがけない出来事に喜びが広がる中、先生は作品を丹念に鑑賞し、こう助言した。
 「これには自分の心境が入っていますね」「これはもう一歩、大胆さがほしい」
 激励はさらに続いた。
 「頑張ってね!」「“頑張る”というのは、“頑なを張る”と書く。自分の自信をもったものを、努力を張って、やり抜くんだよ」
 目頭を熱くしながら、部員たちは誓った。“先生の期待に応えられる作品をつくろう!”
 その後も先生は、多忙の合間を縫って、美術部の友と交流を重ねている。
 ある時は、新入生歓迎展へ。夜の訪問だったため、会場に人影はなかった。
 後日、部員が受付にあった感想ノートを開くと、先生の筆致で、こう認められていた。
 「まことに爽やかな絵です。(平均八十五点)
 画伯(未来の)の魂がよく入っています。
 若干の絵には未だ雄渾さがみられないと思います。ともかく力作であることは間違いない」
 またある時は、香峯子夫人と共に「平安の庭」へ。梅を描いていた美術部の女子学生を見つけると、「私も大好きな場所なんだ」と声を掛け、家族や生活の状況にじっと耳を傾けた。
 「いい目をしているね。頑張りなさい。よく覚えておくよ」――彼女は今、創大の教員となり、法科大学院で教壇に立つ。
                     ◇ ◆ ◇ 
 創大の文系校舎A棟の地下には、一面に大壁画が広がっている。先生の提案に応えた美術部の友が、構想から1年以上をかけて、2004年に完成させた労作である。
 「扇面散らし」と呼ばれる技法で、「つつじと蝶」「夜景と金星」など、創大学生歌に歌われる名場面が色彩豊かに描かれている。
 先生は同年12月、この壁画を視察。「素晴らしい。本当に上手だ」とたたえ、制作に尽力したメンバーに感謝を伝えた。
 創部から46年。卒業生からはプロの画家やアニメ制作者、美術の教員など、多彩な人材が使命の舞台に躍り出ている。
 1978年7月、美術部の展示を訪れた先生は語った。
 「学生の絵の中にある労苦を見に来たのです」と。
 人生のキャンバスを彩る勝利の晴れ姿は、労苦の先にある。先生が示した美術部の永遠の指針である。
ご感想をお寄せください news-kikaku@seikyo-np.jp

◆〈信仰体験〉特発性間質性肺炎の夫を支えて 前を向く心に確かな幸せ
闘病を機に夫婦そろって活動へ


【長野県飯田市】今月12日、テーブルに紅白のまんじゅうが並んだ。1年に1度、三浦百合子さん(65)=松尾支部、支部副婦人部長=が用意するものだ。
 この日が、特発性間質性肺炎を患う夫・一男さん=壮年部員=の69回目の誕生日。まんじゅうでささやかに祝い、日常生活を支えてくれる理学療法士や訪問看護師にも感謝を込めて贈る。
 夫の病は、肺胞の壁が厚く、硬くなり、酸素を取り込みにくくなる、厚生労働省の指定難病。鼻へのチューブから酸素を吸入して生活する。  
 夫の起床は早い。本紙がポストに投函される音を楽しみにしている。座談会の日になると、携帯用の酸素ボンベを車に積み、夫婦そろって会場へ向かう。  
 夫の笑顔を見ると、三浦さんの胸には感謝が込み上げる。こうして共に過ごす時間。そして、共に学会活動に励む時間に――。
                     ◇   
 夫が発病したのは42歳の時。医師の診断に動揺はあったが、ステロイド治療が功を奏し、病は影を潜めた。  
 一男さんは創価学会には入会していたが、「俺には俺の信念がある」と、活動していなかった。「一家和楽」が三浦さんの目標だった。  
 頑とした態度の夫を見るにつけ、半ば諦めの思いにも駆られた。だが、地区婦人部長として活動に励みつつ“いつかは夫と一緒に”と信じる心を手放しはしなかった。  
 そんな歳月を重ねていた2008年(平成20年)、夫を再び病魔が襲う。呼吸がしづらくなり、入退院を繰り返した。医師は「長くとも5年の命」と。12年末にはさらに悪化し、酸素吸入が必要な体に。  
 “新しい年を一緒に迎えられないかも”。今までにない不安が三浦さんを襲う。“ここで退いてはいけない!”と腹を決めた。唱題と御書拝読の目標を定め、挑戦を始める。祈りが深まるほど、夫に明るく振る舞えた。  
 13年、在宅での酸素療法が始まる。夫は肺機能が低下し、起き上がれない日もあった。  
 三浦さんから話を聞いた壮年部員が週末に訪れるように。その励ましと真心に接し、一男さんの心に変化が。
ベッドで題目を唱え始め、聖教新聞にも目を通すようになった。  
 理学療法士と訪問看護師に支えられ、懸命にリハビリにも励んだ。14年には、ゆっくりと歩けるまでになった。同年4月、初めて座談会へ。  
 「闘病する姿が、誰かの励みになれば」。いつしか、夫が前向きな発言をするようになった。  
 昨年秋、様子を間近で見ていた理学療法士から依頼され、「日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会」で一男さんの症例が紹介された。そこでは一男さんの言葉にも触れられた。「病気になることが、人生の敗北につながるわけではない」と。  
 今年、一男さんは長野壮年部の「創価信濃大学校」の一員に。小説『新・人間革命』を研さんする。感想を語る際、池田先生の次の言葉を紹介した。  
 〈人間の真価は、最も大変な苦しい時に、どう生きたかによって決まります。さらに、勇気の人、希望の人がいれば、周囲の人も元気が出てきます〉  
 三浦さんは会館まで夫を送り、会合中は読書をして待つ。病に落涙していた夫が今、生き生きと学会活動に励む。その姿に幸せをかみ締める。
                       ◇   
 今月12日の座談会。参加者が近況や決意を順番に語った。信心への感謝の気持ちを三浦さんが話した後、隣の夫が思いを口にした。  
 「病院では64歳までの命と言われましたが、今日、69歳の誕生日を迎えられました! 
教学試験で勉強した『更賜寿命』で、これからも生き抜きます」
 祝福の拍手に包まれた。  
 三浦さんは、「御書の『病によりて道心はをこり候なり』(1480ページ)を実感しました。次は、夫と一緒に折伏をして、周りの人を幸せにしていきたい」と。  
 闘病は夫にとっても、妻にとっても、信心を深める機会になった。苦難を幸せへの糧にしながら、二人して年を重ねていく。

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